2018/11/25

レポート ベリーマキコ(日本画)

日本画「かめおかの天然絵の具で描こう」

ベリーマキコさんが講師を務める「かめおかの天然絵の具で描こう」のワークショップには、小学校低学年の子から年配の方まで約20人の参加者が集まった。

ワークショップは席に着いた人から順々に始まった。まずは色紙に鉛筆で下絵を描く。

今回のワークショップのお題は「イノシシ」。ベリーさんの用意したイノシシのスケッチを模写したり、スマホでイノシシの写真を検索したりしながらそれぞれのペースで進めていく。

「イノシシの特徴をとらえてみましょう。たとえばブタに似ている、とか、足が速い、とか……」

ベリーさんのアドバイスを聞きながら、参加者は黙々とイノシシを描いていた。色紙いっぱいに1頭の人もいれば、数頭連れだっている人もいる。構図も描き方も自由だ。

やがて参加者の下書きが出来上がってくると、ベリーさんは軽く自己紹介をした後、今回使う「岩絵の具」について説明してくれた。

亀岡の岩からできた絵の具

岩絵の具はその名の通り、岩を砕いて粉状にしたものに、ニカワと呼ばれる天然の糊を混ぜて作る絵の具だ。色は岩の色によって様々で、今回は十数種類用意されている。原材料の岩はすべて、ベリーさんが亀岡の山で採ってきたものだ。

下絵を描き終わった人から順々に、岩絵の具を取りに行く。

小皿にひとさじ分の粉をのせて、液状になっているニカワを注ぎ、指でまぜる。そうすることであっという間に絵の具が完成した。使う絵の具は大体1人で2、3色。

好きな色を選んではニカワの量を調節しながら、自分の使う絵の具を自分で作っていく。

「塗る」より「のせる」感じで

ベリーさんは各々の机をまわりながらアドバイスをしていく。

「ぽん、ぽんと絵の具を置くようにしてみてください」

しだいに参加者たちは絵の具で遊ぶように描きはじめた。

絵の具はふつうサラサラの状態に溶くのだが、あえて粉を多めにしてダマっぽくし、ゴツゴツとした質感を出す人がいる。その向かいでは女の子が筆を使わず指を使って絵の具をのせている。

イノシシが描き終われば背景を描きこむ。紅葉の山々や水玉模様など、ここでも個性が光る。名前と「亥」の字を書き加えれば、小一時間ほどでイノシシの絵が出来上がった。

「乾くとまた少し変わりますよ」

描き終わった絵はひとまず机の上に並べて乾かす。その間に、ベリーさんは早く終わってしまった参加者にもう一枚、色紙を配っていた。色紙をもらった人は、一枚目はこうだったから、次はこんな感じに……、とさっそく下絵を描き始めていた。

飛び入り参加も歓迎

絵が完成するころになると、その風景を見ていた付き添いで来ていたお母さんや近くを歩いていた女の子が触発されて「わたしも描きたいです」と飛び入り参加した。

ベリーさんは途中参加の人にも「もちろんいいですよ」と温かい言葉をかけて出迎えていた。

しばらくすると、最初に描いた絵が乾いてきた。絵の具をダマっぽくして描いていた人の作品を触らせてもらうと、元の砂の質感が戻ってきてさらさらとした手触りになっているのと同時に、厚塗りした部分は凹凸がしっかりわかるようになっていた。

参加者は記念に自分の描いた絵を持って、ベリーさんの撮影で記念写真を撮っていた。どの人も笑顔で写真に納まっていた。

文 / 工藤瑞妃(京都造形芸術大学文芸表現学科 卒業生)

公開日:2019年7月4日