2018/11/25

レポート 水江風海(書道)

書道「自分の名前が劇的に上手くなる(ペン習字)」

字の悩みはさまざま

「字を上手に書く」、誰もが一度は目指したことではないでしょうか。字が綺麗だと、それだけで憧れの的です。けれど、いざ意識しても「どうやればいいのかわからない」という方もまた多いと思います。

今回の「自分の名前が劇的に上手くなる」講座では、自分の名前を素材として、字を上手に書くコツを教えていただきました。教授は水江風海さん。京都書道学院で書道の先生をしており、指導歴30年のベテランの方です。

受講者は4名、全員女性でした。講習が始まるなり、「まずまっさらな状態で、普段通りに名前を書いてみてください」と水江先生。受講者の皆さんは言われるまま、用意されていた紙に鉛筆でサラサラと名前を書いていきます。先生はそれを見ながら「綺麗だけど、サササッと書いてますね」「字数のバランスの面でもう少し改善できます」とお一人お一人に、それぞれの癖や弱点を教えていきます。

それから水江先生は「なぜこの講習を受けようと思ったんですか?」と尋ねていました。答えは「結婚して名字が変わり、バランスが取りにくくなった」「社会人になって字を書く機会が増えたので、名前くらいは綺麗に書きたい」など。皆さん字を書くことに対して、何かしら思うところがあるようです。

自分の字を改善する

さて、いよいよ「字を上手に書く」コツを教わりながら、先ほど水江先生に指摘された「自分の苦手な字や動き」を改善していく行程に入ります。

この日練習したのは行書体。全ての字を「等速等圧(同じ速度で、同じ圧力で)」で書くことが基本。とはいえ人によって速度も圧力もさまざま。自分なりのリズムを見つけるには、書いて練習を重ねるのが大切とのこと。他にも「”志”のような上と下に分かれる漢字は、引っ付けた方が塊として見えて綺麗」「漢字は右上がりに書くと美しい」など、様々なアドバイスがありました。

一進一退、上達への道

もくもくと紙に向き合い書いていくうちに、皆さんの字は少しずつ、教科書のような整った字に近づいていきます。

気がつけば2時間が経ち、講座は終盤へ。仕上げとして、もう一度自分の名前を書き、講習前と後とでの変化を比べます。すると受講者の皆さんからは一様に「わあっ……!」と小さく歓声が。「同じ人が書いたとは思えない!」と感動している様子が印象的でした。

けれども、綺麗な字の書き方をマスターするには最低でも半年かかると水江先生は言います。この日の講習で自分の癖や弱点を改善しても、次の日にはまた元に戻ってしまうのだとか。さらに、実は練習後の方が下手になっていることもままあります。綺麗に書くことを意識しすぎて、逆に不自然な仕上がりになってしまうからです。

一進一退を繰り返しながら、自然な流れで書けるようになることが最終目標。「字を書くのはスポーツと同じです」と水江先生は仰っていました。

文 /  加藤円(京都造形芸術大学文芸表現学科 卒業生)

水江風海(みずえ・ふうかい)
書家。京都教育大学書道科卒業。京都新聞書初展審査員。(株)京都書道学院 代表取締役。
智積院書道講師、大覚寺書道講師。指導歴20年以上、現在約300名の幼児~シルバーの指導にあたる。

公開日:2019年7月4日