KIRI²芸術大学|彫るヒノキの折敷づくり02 レポート

7月18日(日)10:00~12:00、13:30~15:30
講師 :吉田欣司さん
参加者:午前5名、午後3名
参加費:3000円/人

家具職人の吉田さんをお呼びして「彫るヒノキの折敷づくり」を開催しました。

2020年から木材が関わる業界では、木材の価格が高騰しウッドショックという言葉が話題になっています。

これは日本の住宅メーカーが使う木材のうち7割を輸入に頼ってきていたからだそうです。新型コロナウィルスの影響により、海外からの輸入が難しくなり、国内材でカバーする必要があるため価格が上がっています。

身の回りから資源が不足していく今の時代に、私たちが住む地域の木を自らの手で加工する体験から木との関係を見つめてみます。

今回の制作は18cm×30cmのヒノキの板を自分なりに切ったり掘ったりして木の敷物を作っていきます。

まずは板を掘る準備として年輪の向きを確認します。
気温や湿度の影響で時間とともに木が反ってしまうからです。年輪の外側部分がうちに反る形で変化していきます。

次に板の木目に対して垂直方向に掘っていきます。
これが簡単そうに見えて慣れるまでは難しいんです。場所によって彫刻刀がすんなり入るところと力をかけないと入りにくいところがあり、安定しません。
「木は自然のものです。
 そのため一枚の木の板でも硬いところと柔らかいところがあります。」
と講師の吉田さんは仰います。

最後に縁を切り、ヤスリをかけオイルを染み込ませると完成です。

それぞれこだわりのある作品が仕上がりました。

良質な無垢材で作られた「開かれたアトリエ」(亀岡市役所地下一階)での開催ということもあり、ヒノキの香りとともに空間全体で木を味わうことができました。

私たちの生活を支える木を実際に掘ったり切ったりし、自然とともにある暮らしを考えるきっかけとなりました。