KIRI²芸術大学|本漆を使う本格的金継ぎ講座② レポート

11月20日(土)10:00~12:00
講師 :金 潤姫さん、安井 友幸さん
参加者:7名
参加費:12,000円/人(全4回)

漆作家の金 潤姫さんと安井 友幸さんをお呼びして全4回の〈本漆を使う本格的金継ぎ講座〉を開催しました。

KIRI²芸術大学はスキルを獲得することだけが目的の講座ではありません。それぞれのアーティストの独自の視点から術(わざ)や知恵を学ぶことも大切にしている講座です。

先日は栗本さんを講師に招き〈金継ぎで器を再生しよう〉と題して金継ぎ講座を開催しました。(講座の様子はこちら

アーティストが変わると似ているテーマの講座もどのように変わるのでしょうか。

第二回となる今回は欠けている部分を埋める工程を中心に進めていきます。
(前回の内容はこちら

欠けを埋めるには大きさによって2種類の埋め方があります。

大きな欠けを埋める刻苧漆(こくそうるし)はパテの役割となり、
小麦粉と生漆を合わせた「麦漆」と「木粉」を合わせて作ります。

小さな欠けを埋める錆漆(さびうるし)はきめ細かく、
土や石を粉末状にした「砥の粉」と「生漆」を合わせて作ります。

それぞれ丁寧に漆を練り上げ欠けを埋めていきます。

 



陶芸家をされている旦那さんが作った初めての作品が欠けてしまったので、直してまた使いたいから講座に申し込みをしたと語られる参加者さんは、器が欠けてしまったことで、夫婦で新たな作品が生まれるストーリーに心が温まりました。

金継ぎは修繕することで再利用できるエコな面だけでなく、大切な思い出をより濃く残す技法であることに気付かされました。

次回の第三回は12月19日に開催します。

ライター:佐藤壮一郎