レポート 亀岡高校生(特別講座)
「ものづくり・絵を描くことの楽しさ教えます!高校生と作るマイバック」
好きなデザインをそのままバックやティーシャツに印刷できるのがシルクスクリーントーンの楽しさだ。簡単に機材をそろえることができ、一日で完成するお手軽さから趣味にする人も多い。世界にひとつだけの品を作ることができる。それだけではなく、普段絵や美術に触れない人たちでも手作りの楽しさを知ることができる。そこをテーマとして今回の講義は開かれた。
またシルクスクリーンを行いながら高校生による石膏デッサンの実演も行われていた。普段から亀岡高校の普通科美術・工芸専攻の生徒たちがどのような活動をしているのか知ってもらいたいという考えからだそうだ。他にも生徒たちの作品である油絵も飾られていた。油絵は、大きなサイズのもので描かれた金魚や神輿が近づいてくるように感じられた。まさに、亀岡高校の美術工芸専攻がここに引っ越してきたかのような会場となっていた。
切ったり、貼ったり、絵をかいたり
小学生を対象としたこのワークショップは、終始元気よく和気あいあいと進んでいった。参加者にトートバックのデザインを考えてもらい、シルクスクリーントーンで印刷をするのだが、参加した小学生たちは、どんなデザインにしようかなと先生である亀岡高校生たちと話していた。亀岡高校生たちは、一緒に絵を描いてみたり、その子たちの好きなものを聞きながらデザインを考えていた。他にも小学生にもわかりやすく教えるために目線を一緒にしたり、話しやすい雰囲気を作る、デモンストレーションを行うなどの工夫がみられた。子供たちの描いた独創性にあふれる絵をしっかりと拾い上げ、ひとつの作品に昇華させる。シルクスクリーントーンの面白さがよく伝わってきた。
作ってみてどうだった?
実際にトートバックを製作していた小学生からは、「上手にできたからうれしかった」という感想を聞くことができた。その子のお母さんも「家でめったにできないことなのでこのような催しがあるととてもいい。身の回りに芸術があることは子供にとってとてもためになる」と話してくれた。他にもデザインが難しかった、かわいい自分の好きなものができたなど様々な感想が聞けたが、どれも楽しい、面白いなどワークショップが大成功したことを物語るものばかりだった。
感じる「霧の芸術祭」の可能性
これまでの芸術祭と一線画す形となりそうな「かめおか霧の芸術祭」。その情報発信拠点であるKIRI CAFÉから今回のイベントを知って参加した方も多くいた。特別講義と銘打たれたこの講義を見ているとこれからどのような芸術祭になっていくのかまだ全容は見えないが、まちの人たちも一緒になって盛り上がれる楽し気な芸術祭になる、そんなことを感じた。
文 / 添田陸(京都造形芸術大学文芸表現学科3年)
公開日:2019年7月4日