レポート 吉川慶一(染色)

藍染「亀岡市保津町で育てた藍で染めよう」

藍は明治時代まで全国各地で栽培されていたが、現在では一握りの藍師によって守り続けられているに過ぎません。そんななか、亀岡市にある「ほづあい研究所」で所長を務めている吉川慶一さんはもっとたくさんの人に藍を知ってほしいと「亀岡市保津町で育てた藍で染色するワークショップを行った。

3色を楽しむワークショップ

このワークショップは、一般の方たちが実際に藍染めを体験するということで、玉ねぎの皮と藍を使ってハンカチを染めることができる内容となっていた。

玉ねぎの皮によって玉ねぎ色に染まったものをミョウバンにつけると黄色、その黄色を藍で染めると緑色になり、その3色を楽しむワークショップなのだと吉川さんはおっしゃった。
参加者は10人ほど。年代的には年配の方が多く、若い世代は数人程度だった。

まずは吉川さんの藍染めの説明から始まり、それからすぐ作業に入っていく流れになっていた。
藍を囲んで和気あいあいと

藍でハンカチを染めるには、まずどんな模様にしたいのかを決め、ハンカチを四つ折りした状態で水につけると消えるペンで下書きをする。その線に沿って輪ゴムで部分的に縛ると縛ったところは染まらない。ハンカチをつまむように縛ると丸、斜めに縛ると波のような模様が浮かび上がってくるようになっている。

縛り終わるといよいよ、染める作業に入る。

藍は色が落ちにくく、服につくと取れなくなってしまうので、エプロンとビニール手袋を身につけての作業となる。玉ねぎで染めた後に藍で染めていくのだが、最初の一歩がなかなか踏み出せない人と、何の躊躇もなく染めていく人に分かれていた。藍はなんども染めれば染めるほど深い色を増していき、体験者を夢中にさせる。はじめは個々で作業をしていた人が大半だったが、全員で藍を囲みハンカチを染めていると、次第に雰囲気が明るくなり笑顔が増えていた。

全員が初対面で多少の緊張はあったものの、終盤には隔たりもなく和気あいあいとした雰囲気でワークショップは終了した。
約2時間弱の短い体験ではあったが、デザインをどうしようか、どんなふうに染めてみようかと考えることも多く、とても濃いひとときだった。
同じハンカチでも十人十色の染め方があり、デザインがあった。型にはまらず、自分が染めたいようにのびのびとできるのが魅力だと感じた。

公開日:2019年7月4日