図書企画 「土と種」イベントレポート
図書企画「土と種」
2021年7月3日(土)
10:00~16:00
場所:開かれたアトリエ
来場者人数:100人
開かれたアトリエ図書コーナーでは季節に応じてテーマを設け、亀岡市立図書館と共にさまざまな本を選書し、本のある空間をつくっております。
この本棚からさまざまな先人たちの知恵に触れ、1歩立ち止まり、生活を考え、それぞれの日常が豊かなものになることを目標としています。
第一回目のメインテーマ(2021年4月〜7月末)は「土と種」
周りに当たり前にあるもの・出来事に目を凝らし、観察し、考えて触れてみるきっかけをつくること。
微生物の目線、雑草の目線、木の目線、種が循環するという環境を考えること。を軸に企画しました。
開かれたアトリエは市役所地下の新しい空間として生まれ変わりました。その大きな窓からは庭や植物が見えるのです。
「市役所という場所で土に触れるイベントをしてみたい」「市役所の使い方を新たに考え、公園のようにさまざまな世代が行き交い、交流し、情報交換するような場所になればいい」と考えると外の空間の使い方の提案は欠かせないものだと感じました。
イベントの内容は単純明快。こどもたちを対象に、庭の土に水をかけてこねて、動物のようないきものをつくりだすこと。
周りにある枝や葉っぱ、花なんかも一緒に使い、子どもたちと親たちとたくさんの動物をつくりました。
びっくりする人数の親子が来てくれて、たくさんの動物が生まれました。
1つ大きなポイントとして大事にしていたのは、それぞれ好きな場所に展示してもらう(雨や風で溶けたり、変化していく動物の姿をまたみにくる)ということ。場所や庭の空間を考える1つのきっかけになればと考えました。
つくりだされた作品をいくつかご紹介します。
・休日になったら市役所の駐車場を散歩するという近隣の親子
・安心してあそべる遊び場がないと困る親
・コロナで行き場を失っていた親子
たくさんの親子と出会うことができました。
「土をこねる作業は保育園でもするが、こんなに多様な植物が生えている場所ではない」とか、「保育園の砂はサラサラだ」とか、「家に庭がないから、このような場所を好きに使わせていただけるのはとても嬉しい」とか
土や、植物、虫などに触れながら、こどもたちや大人たちは発見をたくさんしていたように思います。
シンプルなことだからこそ、さまざまな考えを巡らせた。そんなイベントでした。
また、当日は亀岡市立図書館の司書 内藤さんによる「土と種」をテーマとした紙芝居も開催。
大人気の企画でした。さっきまではしゃいでいたこどもたちは、ぴたんと静かになり、耳や目を傾け夢中でとりくんでいました。
これからも図書館の方々にさまざまなことを教わりながら、イベントを開催し、本のある空間づくりや
知恵を共有できる場づくりをしていきたいと思います。
かめおか霧の芸術祭プロジェクトディレクター / 山成研究所 辰巳 雄基
山成研究所 大垣留衣