城跡芸術展2023

ARTISTS出展作家

奥村博美Okumura Hiromi

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1953年 京都生まれ
1978年 京都市立芸術大学陶磁器専攻科修了
1979年〜 亀岡で作陶

 

轆轤、石膏型、紙型、染付、印花などの技法で器を制作

 

1987年、印花技法を展開して象嵌器のシリーズを始める。1992年39歳の時、一生この仕事をするのは辛いと思い、タタラ技法による白釉器のシリーズを開始。タタラの魅力にはまって一枚の板から形作る皺襞膚、つまみ取った土を指で広げて繋ぎ合わせる皺襞の器、釉薬の面白さに目覚めて火焔器へ。

 

2019年、右手不具合のため制作方法を模索、指先を使わず成形する緊縛のシリーズを始める。

 

火焔壁

以前自然光が入るギャラリー空間で展示した作品を再展示します。
2019年、幅12m高さ2m、80cm×40cmの陶板60枚を組み合わせてギャラリーの壁面を取り囲む作品を作りました。鉄の窯変釉を掛けた作品で、これは光の反射で煌めく釉薬です。もう一度機会があれば展示したいと考えていたところ、春陽閣階段の踊り場が目に留まりこの薄暗い自然光がどんな表情を作品に与えてくれるのか、ぜひ試してみたくなりました。
陶芸は形と共に釉薬が表現手段の一つです。この釉薬を使う事でどんな形が生まれるか色々と試行錯誤した結果、ギャラリーの壁面を取り囲んでその中に身を沈めて、鑑賞するよりも体感してほしいと思い作った作品です。
今回の展示は規模は小さくなりますが16枚の陶板で踊り場の壁面を埋め、階段を登る時降りる時に、踊り場に差し込む木漏れ日のような光が作品にどんな変化、効果を与えてくれるのか、不安と期待を持って楽しみにしています。