城跡芸術展2023

ARTISTS出展作家

稲あゆ美Ina Ayumi

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1997年京都府亀岡市生まれ。2021年に京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程工芸専攻染織を修了。織の技術の中でも、絵画的な要素を持つ綴織のタペストリーを制作している。タペストリーは長い時間をかけて織りあげる。その時間と同じようにタペストリーに日常の中で変化し続ける日常をとどめる・記録することができるような作品を目指し、制作を続けている。

 

まわる花もよう

私は毎日を過ごす中で、過ぎていく時間、戻らないないものについて、不安や儚さを感じ、そして、叶うならばそういったものを残していきたいと考えてい制作している織物のタペストリーは制作する道のりが長く、その作業自体が時間を積み上げる要素を持っている。私はそんなタペストリーという媒体を残すものとして考えており、日々の中で見つけたものの時間を記録しているような気持ちで制作している。

今回の作品も、呆気なく空に消えていく蝉の命の儚さ、色鮮やかに咲きほこる花の最後を取り上げ、もう戻ることのない時間の流れを感じさせるものとなっている。だが、ただ過ぎていく悲しいものというわけではなく、また新しい命や花、存在としてまわっていくものでもあるということを作品の最後には感じてほしい。