2021/3/30更新

〜めぐるかめおか〜|KIRI EXHIBITION|竹を編む 記憶を辿る

竹展
開催日時:2021年2月12日(金)-3月14日(日)
開催場所:KIRI CAFE

竹展トークイベント
開催日時:2021年2月27日(土)10時〜12時
開催場所:KIRI CAFE
お客さん:Youtube(約12名)・Facebook(約8名)

かめおか霧の芸術祭の拠点「KIRI CAFE」がある千歳町毘沙門地区は、丹波では名の知れた竹籠の産地であり、江戸時代から竹細工の技術が息づいていました。この竹展では毘沙門地区の家々に大切に保管されていた繊細な竹細工が施されて作品約50点をお借りして展示する展覧会が開催され、それに伴いトークイベントが開催されました。
亀岡での竹細工の歴史や特徴について話しをしながら、他地域で行われていること、竹や自然との暮らし方について、「これまで」と「これから」について考えました。

登壇されたのは橋本千菜美さん(竹の造形家)、松井利夫さん(かめおか霧の芸術祭総合プロデューサー)、鵜飼均さん(⻲岡市文化資料館館⻑)、聞き手を務めるのは竹展の調査・企画を担当した辰巳雄基さんです。

今回のトークでは一部が竹展についてと今までの「竹」について、2部ではこれからの「竹」について話されました。

資料から見える「千歳町毘沙門地区」
まずは⻲岡市文化資料館館⻑である鵜飼艦長から千歳町毘沙門地区が一体どのような地域だったのか、竹細工がどのように行われていたかを伺いました。
近世に書かれた書物と鵜飼館長が平成6年に調査した「伝統の手仕事」という調査記録といった資料からは
「古よし村中籠細工人多、四方商乃・・・」と記載があり毘沙門地区が竹細工が行われていたことがわかります。

この「伝統の手仕事」という調査は京都府内を中心に手技の伝達を目的に総合的な調査を行ったもので、鵜飼館長が取材された竹細工をやられている野々村良一さんと三好直次さんから聞いた取材について紹介されました。
取材された当時はこのお二人ほどしか竹細工を行っている方がおらず、毘沙門地区の竹細工は衰退の方向に向いてきたとのこと当時の盛んに行われていたころは家族ごとに量産し、海外にも輸出していたそうです。

竹の造形家・橋本千菜美さん
橋本さんは現在茨城県にて竹細工で作品を作っている竹の造形家であり、今回の展示とワークショップの講師もしてくださります。学生時代は彫刻を専攻されていた橋本さん。卒業後は”人と近い”、”生活に近づいたもの”を作りたいと思い、竹細工を始められたそうです。現在は筑波山の近くの空き家を改装し、自宅兼アトリエで活動されています。

制作では自身で竹を伐採しているそうで、竹林整備も行いながら栽培しているそうです。道具もご自身で作られているそうです。また制作だけでなくワークショップや教室などの開催されていて、就労支援施設などでも竹細工を伝えられています。

匠の技
竹細工職人の野々村良一さんと三好直次さんが制作されている映像を皆さんで鑑賞しました。熟練した職人さんは軍手も付けずスピーディーに編めるのだとか。まさに「指先が道具」と化している職人さん。中には爪が変形してへらのようになっている人もそうで、亡くなる寸前までも手が動いている方もいらっしゃるようです。

語り継ぐ人の大切さ
この竹展では調査した内容を亀岡にゆかりある3名の作家さんに作って頂いた紙芝居も公開されました。企画された辰己さんは、ただ調査したことを展示するのではなく、文化や歴史が人から人へ語られることが大切であるという考えから紙芝居という方法を思い立ったそうです。

これからの竹細工
毘沙門地区では家族単位で竹細工を行っていたものの、プラスチック製品の増加や興味の薄れが原因で竹細工自体が少なくなっています。松井先生は「竹細工がなくなっても村の佇まいはが変わらないかもしれないけれど、時間をかけて作られていた竹細工が行われていなくなっていることに不安を覚えてしまう。これから衰退していく文化をどのように守っていくか、後世に残していくが重要である」と話されていました。