アートコミュニケーター講座アーカイブ

市民の方々と一緒に市民参加型の座談会「アートコミュニケーター」講座を行いました。

かめおか霧の芸術祭って? アートってなに? 暮らしを耕すってどうゆうこと?   定期的に畑に集まって作業をしたり、ゲストを招いた座談会を開いたりしながら身体や頭で考えていきます。

 

●第1回 11月30日(水)14:00~16:00
松井利夫    陶芸家 / かめおか霧の芸術祭総合プロデューサー

「半農半陶 – 冬の仕事 / 夏の仕事」

陶芸家 1980年、京都市立芸術大学陶磁器専攻科修了後、イタリア政府給費留学生として国立ファエンツァ陶芸高等教育研究所にてエトルリアのブッケロの研究を行う。帰国後、沖縄のパナリ焼、西アフリカの土器、縄文期の陶胎漆器の研究や再現を通して芸術の始源の研究を行う。近年はたこつぼ漁、野良仕事に没頭し人間の営みが芸術に変換される視点と場の形成に関する研究を重ね、公開講座「ネオ民藝」を運営する。現在:京都芸術大学教授、滋賀県立陶芸の森館長、IAC国際陶芸学会理事。

かめおか霧の芸術祭総合プロデューサーの松井利夫さんをゲストに
なぜ亀岡で「かめおか霧の芸術祭」の活動が始まったのか、また、普段どんなことを考えておられるのか話を聞きました。
芸術祭の拠点となる、KIRICAFE誕生の話から、松井さんが考えるアートや芸術活動、教育のあり方や可能性について多方面から話を聞くことができました。
亀岡というフィールドでどのようなことが始まろうとしているのか
2018年より芸術祭が始まって5年を振り返りながら、集まってきたメンバーと意見交換をしました。

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第2回 2023年1月11日(水)14:00~16:00

米谷 健+ジュリア    アートユニット コンテンポラリーアーティスト
(現代美術家) 及び百姓(無農薬農家)→ライスバレー

アートと農業とエネルギー
「アーティストと農家を行ったり来たりする暮らしや葛藤を学ぶ。」

環境問題や社会問題などをテーマに入念なリサーチを行い、独自の手法で美しくも不気味なものへと転換する作品は、インスタレーション、ビデオ、パフォーマンスなど多岐にわたる。ヴェネチア・ビエンナーレ(オーストラリア代表、2009)、シンガポール・ビエンナーレ(2013)、茨城県北芸術祭(2016)、ホノルルビエンナーレ(2017)、オーストラリア国立美術館にて個展(2015〜2016)近年では角川武蔵野ミュージアムにて大規模個展開催。(2020)、オーストラリア QUT クイーンズランド州工科大学にて個展(2022)

アート:http://kenandjuliayonetani.com/ja/ 京都の農村で無農薬農業も営む。

農業:https://ricevalley.jp/ja/

隣町でアーティストと農業を生業にする米谷さん。
10代20代30代…と2人はなにをして人生を歩んできたのか、
2人の過去を振り返りながら、なぜ今アーティストをしているのか?どうして農家になったのかを聞きました。
世界情勢や環境の変化、そして自分たち自身の身体の変化などマクロからミクロの話に参加者は自分の人生も振り返りながら2人の活動を改めて理解しました。

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第3回  2023年 2月15日(水)14:00~16:00

吉村 静 ランナー / アーティスト

リバースカルチャーショック
「カナダに住みながら国々を旅して知る世界と、日本に帰って見える世界を学ぶ。」

走歴25年。1987年新潟県長岡で生まれ、豊かな自然環境の中で育つ。
京都芸術大学空間演出デザイン学科を卒業し、その後ランニング雑誌の出版社に勤め、2014年からカナダを始め様々な国を旅する。
4年半のカナダ・バンクーバー生活を経て、2021年よりカナダ北部にあるユコン州ドーソン・シティ(マイナス40度の世界!)へ移住。ビジュアルアートスクールに通う。
2019年から2022年まで、幻冬舎が運営するウェブマガジン、幻冬舎プラスにてカナダ暮らしの様子を綴った「極北でアートを学ぶ」を連載。
ホームページ:https://www.shizukayoshimura.com
Instagram: @tip_of_the_iceberg_newspaper

4年前亀岡で一緒に芸術祭をつくってきた吉村さん。
カナダのバンクーバーでの生活やユーコンで通っていたアートスクールの話しをしてもらいながら、日本とカナダの違い、吉村さんが感じる”今”について話を聞きました。
なぜ日本に帰ってきたのか。
これからどうするのか。
旅をしながらミニマルに、不安定だけど自由に国や活動を横断する彼女の言葉を聞き、私たちの”今”を考えました。

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第4回  2023年 2月8日(水)14:00~16:00

鈴木健太郎    移動八百屋369商店店主/一般社団法人京都オーガニックアクション代表理事。

都市と農村

「都市と農村、食と農の新たな関係づくりを学ぶ。」

1977年生まれ。二児の父。大学卒業後、バックパッカー→人力車夫→仏像彫刻を経て、2010年に京都市内から南丹市に移住。豊かな自然環境がある農村社会が構造的に持続可能でないことに衝撃を受け、Local&Organicをテーマに移動八百屋369商店を2014年に開業。2017年に、それぞれ孤立している有機農家や八百屋、料理人を繋ぐ目的で突発的に開催した「百姓一喜~農家大宴会」をきっかけに共同プロジェクト「京都オーガニックアクション」始動。京都のオーガニック農産物を京都の八百屋さんに運ぶ共同物流便を中心に、京都一円のオーガニック関係者の連携を模索している。

隣町で八百屋を営む鈴木さん。
移動八百屋を開業するにあたりどんな考えがあったのか、また、オーガニック農産物の共同物流便をなぜ始めたのかを中心に話を聞きました。
野菜のおいしさや、農家の考えていることを伝えたい。という想いから、農村と都市との連携の構築。地道な活動から生まれた人間関係や、連携にともなうハイテクな技術の重要性をまじまじと学びました。

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第5回  2023年 2月22日(水)14:00~16:00

山城大督 美術家・映像作家 Twelve Inc. 代表取締役

アートの変化

「地域での多彩なプロジェクトと、アート像の変化を学ぶ」

映像の時間概念を空間やプロジェクトへ応用し、その場でしか体験できない《時間》を作品として展開する。2006年よりアーティスト・コレクティブ「Nadegata Instant Party」を結成し、全国各地で作品を発表。また、山口情報芸術センター [YCAM] にてエデュケーターとして、オリジナルワークショップの開発・実施や、教育普及プログラムを多数プロデュース。京都芸術大学専任講師。豊中市立文化芸術センター プログラム・ディレクター。第23回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品受賞。


亀岡にルーツがある山城さん。
映像というメディアを活用して様々な地域で活動を展開する山城さんに、なぜそのような表現方法に至っているか。現場でどのような出会いや発見があったのか。を深く深く聞き出しました。
山口県での活動や、亀岡での作品制作を例に、風景や人と出会い、そこで感じた場面をありありと伝えてもらうことで、新しい”出会い方”を教わりました。