KIRI WISDOM 3「山フーズの霧の中のクレープ」
ゲスト:小檜山聡子(山フーズ)、Luan BANZAI(ルアン バンザイ)、No Émie(ノエミ)
亀岡では秋から冬にかけて朝方になると、濃い霧に包まれます。
日本の真裏ブラジルからやって来たルアン, ノエミがそんな亀岡という土地を新しい視点で見つめ、ドローイングします。それをもとに、「食とその周り」で活躍する山フーズが土地の食材を使って「霧の中のクレープ」を表現します。
霧に包まれたように、そのクレープの中身はわかりません。匂い、舌触り、音、風景、記憶。頭ではなく身体を使って、「美味しいって何だろう」「食べること」に向き合うことを試みたいと思います。
海外から来た二人のアーティストの視点
まずワークショップに参加してもらった方に、ルアンとノエミが作った映像と写真集を見てもらいました。
「僕たちが感じたことは言葉ではなく、見てもらって伝えます」と話しました。
昼になったら消えてしまう儚い霧
以下ノエミが亀岡滞在中に撮影した写真
五感で感じる味
ルアンとノエミの作品を観た会場は静かな空気に包まれました。
ワークショップに参加した方は亀岡市内、市外、関東、ドイツ在住の方と多岐に渡りました。
そんな中で、2種類のクレープの中身はお知らせせず、味わって感じたことを言葉(風景、記憶、詩など)で一人一人に表現してもらいました。
参加者に書いてもらった感想(抜粋して紹介)
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(抜粋)
「みちくさクレープ」亀岡を散歩しているかのようで、不思議で楽しい。
「ボーダー」ボーダーレスみたいな境界がなくなる。境界を超える。
「Root」食べ進めば進めるほど、亀岡の根っこを感じた。
「旅先での出会い」こんな場所かなって大体わかって行くけど、行ってみたらそこで思いがけずいい店を知れたり、面白い人に出会ったりする感じ。
「視点」畑を地面の上からじゃなくて、地面の中から見ている感じ。
「地層」ずっと昔からの色々が、今食べられるものになっている。
「なみうちぎわ」そこにいつもあるのに見えない。でも時間や季節、自分以外が変化することで、違う気持ちになる。
美味しいってなんだろう。
みなさんが食べ終わった後、少し答え合わせ。
山フーズさんから、使った食材(多くは、亀岡市から南丹市で作られたものを使用)、盛り付け(食べるに連れて味が変わっていくように、層を意識して盛り付け)などの工夫が話されました。
お客さんの中から、数人、感じたことを発表してもらいました。
その中からたくさんのワードが飛び出し、同じものを食べて、他の人がどう感じたか、違いのおもしろさの発見がありました。
食べる前からたくさんの情報を持っている私たちにとって、中身を知らない状態で、味を感じようと努力しながら、食べる機会となった今回は貴重な時間となりました。
山フーズ (小檜山 聡子)
1980年東京生まれ。多摩美術大学油画科卒業。 素材としての勢い、料理としての勢い、美味しさ、を大切にしながら“食べる”をカラダ全部で体感できるような仕掛けのあるイベント企画、ワークショップ、レシピ提供、撮影コーディネート、執筆、講師など多様な角度から「食とそのまわり」の提案を行い活動している。
LUAN BANZAI(ルアン バンザイ)
1988年ブラジル生まれ。2006年、映像の仕事を主とした「Banzai Studio」を友人3人とブラジルで設立。スイスのジュネーブ造形芸術大学でビジュアルアートの学位を取得。現在は映像やドローイングなど様々なビジュアル表現を用いて制作を行っている。
No Émie(ノエミ)
1994年スイス生まれ。スイスのジュネーブ造形芸術大学でグラフィックデザインと美術史を学ぶ。現在はブラジルのサンパウロに住み、デザイン、空間デザイン、そしてビジュアルアートなどに携わる仕事を行っている。
次回
2018/12/1
KIRI WISDOM vol.4「ルアン&ノエミ プレゼンテーション会」
ゲスト:Luan Banzai(ルアン バンザイ)& Noemi(ノエミ)
更新日 2018/12/15