インタビュー 吉田欣司(木工)
- インタビュー
デザインの面白さを伝えたかった
参加者に考えてもらうワークショップを
―――――今回はどうして座編みのワークショップをされたんですか?
かめおか霧の芸術祭を監修されている方に、亀岡でしかできないことを考えてきてくださいってお題を出されまして。最初は皿掘りのようなよくあるワークショップをやろうかな、と思ったんですけど、どうせならお客さんに考えてもらうようなワークショップやりたいと思いまして。座編みの形って結構決まってるんですが、あえて編み込みの形を半分お客さんに委ねてみることを考えて、進めていった形ですね。
―――――なるほど。座編みをWSにするという発想は、どこで思いついたんですか?
僕は木工職人ですが、デザインも全部オリジナルでしてるんですよ。芸大の建築の学科を出たんですけど、元々は全然デザインになんて興味はなくて。ただ、実際にやってみたら面白いんですよね。それを体験してほしいなと思ってこのワークショップを考えました。
―――――吉田さんは、なぜ亀岡で木工の活動をしようと思ったんですか?
僕の出身は箕面市で結構栄えてるんですけど、自分のことを誰も知らない場所で、まっさらな状態で独立したいと思って亀岡に移住して来たんです。まあ移住といっても、車で40分で実家に帰れるんですけど(笑)。
都会で制作というよりは、人があまりいないところで自分と向き合って制作物を作りたかったんですね。
まあカッコつけていうとこんな感じですけど、大阪と比べて家賃が安いってのももちろんありますよ!(笑)。
―――――実際に亀岡でやってみてどうでしたか?
箕面市はベットタウンで、作家って人があんまいないんですよ。でも、亀岡に来たら、陶芸家、木工家、画家と作家の方がたくさんいまして。そういうまちなのかなあと思っていたら、いろんな人に声をかけてもらって、こういうイベントとかに出させていただいているんで、亀岡に対してとてもいい印象を持っているんです。作家としてすごくやりやすいですよ。アクセスもいいですから、木材とかの材料もすぐに届きますし、亀岡って作家にとって絶好の場所だと思いますね。
―――――ワークショップは今回が初めてですか?
正確に言うと、個人でやるのは初めてです。複数人で教えるワークショップにはよく参加していて、ずっと個人でやりたいとは思っていました。
僕は亀岡で活動してますけど、亀岡でイベントに出たことってあんまりないんですよ。多分今回のワークショップがデビューなんですよね。だから、霧の芸術祭が亀岡でのイベント出演のきっかけを作ってくださって、本当にありがたい、という気持ちが強いです。
文 / 宮脇周哉(京都造形芸術大学文芸表現学科3年)
吉田欣司(よしだ・きんじ)
YOSHIDA WOOD STUDIO主宰。一級家具製作技能士、職業訓練指導員免許、木材加工機械作業主任者。1986年、大阪府箕面市生まれ。2012年、ICSカレッジ・オブ・アーツインテリアアーキテクチュア&デザイン科卒業。2016年、 京都府亀岡市に家具工房「TEGAMIKAGU」開業。2018年、 亀岡市内に工房移転、社名をYOSHIDA_WOOD_STUDIOに変更。https://www.yoshidawoodstudio.com
公開日:2019年7月4日