インタビュー 綿引恒平(陶芸)

焼き物でも地産地消

どう作られていくのか伝えていきたい

───今回こういうワークショップ(以下WS)は初めてだったのでしょうか。

 違うこと、似たようなことはやってるんですけど、でもこういう呼びかけで不特定多数の人にするのは初めてですね。

 最近は粘土を取ってきて作る、普段だったら買ってきた材料を使うと思うんですけど、材料からみんなで考えて作っていくのが大事だと思いまして。野菜とか地産地消ってよく言いますけど、焼きものもそれができる分野なので。ここで取った粘土でも作れたりするんですよ。それも面白いなと思いまして。

───器に絵付けをして焼いて持ち帰ると満足感はありますが、それが一体どういう風にできたのかは分からないままですものね。

 それはそれでモノとして使える、残るという大事な一つの在り方ではありますが、それだけでは寂しいなと感じますね。「焼いて使える」というのは大事で面白いところではあるけれど、やはり材質からどう作られていくのかを伝えていきたい。それが今後2020年の間までに、どんな形であれできればいいなと思っています。自分の中では、今回のWSだけで終わりではないと。勝手にですけど、続きがあると思って、一番最初のことをやりたいと思ったんです。

───みんなが同じことをして、道具の貸し借りがあったりしたからか、最後はお互いが作った粘土を触りあって仲良くなったりして、いい雰囲気でしたね。

 道具はわざと少なめに用意しているんですよ。貸しあいとかすごく大事なことだと思います。最初にみんなで自己紹介をしたのも、参加者が10人程度なので、名前も知らずに始まって終わるというのもすごく寂しいじゃないですか。だから自己紹介もちゃんとしてやりたいなと思ったんですよ。だんだん仲良くなってくるんですよね。自分の子供じゃなくても助けてくれたり、隣の子が「使っていいよ」とか言いながら貸してくれたり。そういう関係が大事だと思うんですよ。お客さんの気持ちで来られて僕もお客さんを相手にするみたいに接すると関係って生まれないじゃないですか。そういうことはしたくないなと。みんな仲良くなって帰りたいなと思っていたので、今回はそれができていたかなと思います。不安はあったんですけど、僕もすごい満足できました。

住んでいるまちについて、土から知りたい

───三重県出身と伺いました。三重で焼きものをしようと思われましたか。

京都の大学を出てから、亀岡に移り住んだんです。それから採った土に興味を持つようになったんで、学生のころは興味なかったんですよ。僕の生まれたところの土ではないから、三重の粘土も取りに行きたいなとは思ったりします。

でも、気がつけばここにいましたね。不思議ですよね。縁というか。だから、亀岡に愛着があるかよく分からないんですよね。でも、住んでる町のこと知りたいという好奇心はあるんで、いろんな話が面白いと思うんです。

───亀岡って、WSの在り方そのものも探っていける芸術祭だと感じますが、いかがでしょうか。

 本当にそう思います。手軽なワークショップは世に溢れているんで、言葉じゃなくてもいい、変な方向にマニアックなことをみんなができたら、多分リピーターができて口コミで広がると思うんですよね。そういうのがみんなに浸透していくのがいいです。

文 / 西村瑠花(京都造形芸術大学文芸表現学科2年)

綿引恒平(わたひき・こうへい)
陶芸家。白川真悠子と共同で陶磁器スタジオ「 WATAKAMA/わたかま」設立。 2016年 「パンのうつわと木のスプーン展」 薪窯パン ふくくる。 2017年 「 ふゆのうつわ展」 薪窯パン ふくくる。 2017年 「GIFT BOX 2018」 京都文化博物館。陶芸・木工・絵の具あそびなど、いろいろな素材を使ったワークショップも不定期に開催。

公開日:2019年7月4日