KIRI2芸大レポート | 漆器修繕くらぶ

7/4(土)10:00~12:00
講師:栗本夏樹
参加者3名

漆の綺麗な艶は、心をスッとさせるような澄んだ光を持っています。曇った漆は、その光を帯びることもなく、燻んだ色のただの器となり価値が下がってしまいます。

日本の伝統工芸である漆は、手入れをすることで、その澄んだ光を蘇らせることができます。
今回は、漆を磨き、艶を取り戻させる補修講座でした。

講講は、まず座学からスタート。
栗本さんの漆コレクションをもとに、器ができる工程や、東アジアの中における日本の絵柄の特徴を学びます。
伝統工芸を知ることは、歴史を知ることから始まります。これらの工芸品には、日本人の暮らしが反映されているのだとつくづく感じました。

使い込まれた器には、様々な汚れが付着しています。
丁寧にそれらの汚れを拭き取り、漆を塗って磨いていきます。

作業は一見地味なように見えますが、終盤では、本来の美しさが蘇った別の器となっていました。

簡単に手に入り、捨てることができる時代ですが、手入れをすることで蘇る器には、心さえも動かす美しさが備わっているのだと感じる講座となりました。