KIRI2芸大レポート | キリカフェの畑で油絵を描く03

11月14日(土)11:30~16:00
講師:上林和統
参加者:5名

秋の合間の温かい陽に包まれたこの日。
木々が色づきはじめ、イチョウの黄色は、光を通し私たちに季節の尊さを伝えてきます。
季節が移り変わると共に、人々の心に留まる色や対象物が変わることを理解できるのが、このワークショップです。

物づくりや絵を描くことが好きな姉妹のお二人は、選ぶ風景が異なりますが、絵に向き合う気持ちが同じようでじっくりと丁寧に描いていきます。
たまにお互いの絵を見に行ったりと仲が良さそうです。
絵を描くことは、自分と対象物とが向き合うことでもありますが、人が絵を描いているところを訪れることで、絵を描く工程でどの部分に着目しているかを感じとれ、新たな一面を見つけることが出来るようです。

自分の選んだ対象物を、自分の好きな場所で描くことは、自分の“快適”を選んでいると思いました。
その“快適”というのは、誰とも比べない自分の絵がかける快適さでもあります。
人の気配よりも、季節の気配や絵に取り入れたい気配に気を向ける時間は、体で感じる快適さでもありました。

先生は、カラフルに全ての絵具をパレットに置いて行きます。
例え使わない色がわかってたとしても、全ての色を置くことで、パレットが華やぎ、ワクワクする気持ちとともに、色を混ぜる面白さや、あえて使わない色を混ぜてみようと挑戦する気持ちを呼び起こします。
日々の生活で、これは合わないけど、やってみよう!と思う時間というのは、実は少ないのだろうとその時気づかされました。
描くことは、小さな挑戦や可能性の閃きを与える魔法のような物です。
たとえ、うまくいかなかったとしても色を重ねればいいし、思いもよらぬ絵になることもあります。
それでも良いのです。
それで良いし、描き終わったあと口に出して”楽しかった”と言えるのは、先生の温かいアドバイスと作り出す空気なんだと思います。

楽しむことと失敗する勇気を持つことは、新たな可能性を見つけることが出来る大きな1歩だと、このワークショップと通して学びました。