開かれたアトリエ | ⬜︎とつながる芸術祭
2月19日(日)から2月26日(日)まで、亀岡市役所地下1階「開かれたアトリエ」にて亀岡高校 美術・工芸専攻と美術部の生徒さん14名による展覧会を開催しました。
11月から準備に入り、生徒さんひとりひとりが「開かれアトリエでの展示で何を表現したいのか」を 考え、自分の中にある疑問や強い思いを探りました。
生徒さんそれぞれが、心の中にある強い思いを人に伝えるため、言語化し、ストーリーをかため、さらにそれを可視化するためにカタチにしていく作業は、生徒さんたちにとってとても大きな挑戦となりました。
ラストスパートでは、カタチになってきたものを、「どうしたら見る人に感動してもらえるのだろう か・・・」という、大きな課題に直面しながらも、最後まで諦めることなく、まっすぐに自分たちの作品に向き合い、作品を完成させました。
開かれたアトリエに展示された、ひとりひとりの作品はとても個性的で、それぞれ強いメッセージや狙いがあり、長い時間足を止めて作品に見入る方々が多くおられました。
【作品について】
絵にタイトルをつける作品「 」 や、知らない誰かにメッセージを送る作品「HAPPY POST」など、見る人参加型の作品にも多くの 方々のメッセージが投函されていました。
大きなジャガイモを持ち上げることができる「体内に39.4%の救世主あり」や、自由にパーツを動か して気持ちを表現する「私の思いとカタチ」、見たこともない大きさのオオサンショウウオの上に乗
る不思議な体験ができる「そこの生きもの」は、子どもたちの興味を惹き、触ったり持ち上げたり上 に乗ったりして楽しむ姿がよく見られました。
また、洋服を着る人にとってのお守りとし、自由に黒いワンピースを装飾して、みんなでお守りをつくる「私のお守り貴方のお守り」にも、子どもだけで なく、多くの大人たちも楽しんで装飾しておられました。
人の印象と初対面をテーマにした作品「hello」は、作品の間に入ってみたり、遠くから作品を見てみ たりと、作品の意味を探りながら鑑賞する方が多く、たくさんの足のクロッキーを並べた「それぞれ の絵に感情表現を出してしまうmeの足」は、作者の素直な気持ちが伝わり、共感して頷く方々が見 られました。平面作品と立体作品を組み合わせた作品「離れない自分」は、ワイヤーや木などを組み あわせて、限られた素材で、絵に見入られることに抗えない自分の状態を巧みに表現していました。
細かいペン画の「猫」「捕食」「捕食 : 彩色」は、繊細な線の絵で、自由に塗り絵に挑戦できるよう に展示をしました。普段は白黒の自分の作品が、色がつくことにより、自分の手から離れたものに なっていく体験が、作者にとって新鮮なものとなりました。
会期中には、出展者の生徒さんたちが、それぞれ自分の作品を、桂川市長にプレゼンテーションする機会があり、みんなの個性をそれぞれ大切に思うことをテーマにした絵本「宇宙の色ーそらのい ろー」について、「誰ひとり取り残さないというメッセージは、SDGsの考え方と一致しますね。」 というご感想をいただきました。
【ワークショップ】
2月26日のボンボンマルシェでは、大変多くの方がワークショップに参加し、大盛況でした。 「箱の中身はなんだろう」をテーマに、
参加者の子どもたちは、箱の中身が見えない状態で手探りで触り、感覚だけを頼りに絵を描きました。
見えない状態で描くことは、普段どれだけ視覚に頼って絵を描いているのか、子どもたちに実感してもらうきっかけとなり、「絵を描くことはいろいろな感覚を自由に使うことである」という、生徒さんたちのメッセージを、子どもたちひとりひとりに伝えることができ、大成功をおさめました。
チラシも生徒さんのデザインです。