線を引き続けるためのアーカイブ

<展覧会概要>

亀岡ゆかりの芸術家の展示を4つの施設が連携して開催する「霧の芸術館」は、かめおか霧の芸術祭の通年の取組の一つです。
その一つの「亀岡市文化資料館」を会場とした企画「線を引き続けるためのアーカイブ」は、亀岡ゆかりの芸術家の作品そのものでなく、アトリエの空間や使い古した道具、加工される前の素材、窓からの景色や散歩道、本棚に並ぶ本など、その芸術家を構成するさまざまな要素をリサーチによって紐解き、その実像に迫る試みです。
会場では、芸術家のアトリエ跡や資料等をアーティストがリサーチ(調査)した結果を展示します。
かめおか霧の芸術祭では、亀岡の風土や環境に身を置き、作品と向き合い続けてきた芸術家の営みそのものが亀岡市にとって貴重な”文化資料”であるととらえて、今回の展覧会を機に数年かけてアーカイブ(記録・保存)していきます。

会期 1月15日(土)〜30日(日) 10時〜17時
場所 亀岡市文化資料館
休館日 月曜日

料金(こちらの展覧会は「亀岡ゆかりの芸術家展」との共通券で入場できます)
大人     500円
小学生以下  無 料
※共通券は大本本部または亀岡市文化資料館で購入できます

 

<出展作家>
出口鯉太郎
円山応挙
みずのき絵画教室
ヤノベケンジ
山口牧生


◆出口鯉太郎

(写真はリサーチ時の模様)

出口鯉太郎
KOITARO DEGUCHI
1960-

1960年亀岡生まれ。曾祖父は出口王仁三郎。祖父は陶芸家で人間国宝の金重陶陽。1983年備前焼の大家、金重愫の元で陶芸の道に入る。その後、京都市工業試験場陶磁器研修専修科を修了。備前焼、信楽焼、三彩焼など多様な焼き物を制作。全国のデパート・百貨店にて作品を発表。亀岡市内で作陶を続けながらNPO法人ウリズンの代表として芸術祭などを企画。

◆円山応挙

円山応挙
OKYO MARUYAMA
1733-1795

享保18年亀岡生まれ。江戸時代中期から後期にかけて活躍した絵師。近現代の京都画壇にまでその系統が続く円山派の祖であり、対象物を観察し写しとる“写生”を重視した写生画や多様な空間表現を取り入れた画風は、その時代において先駆的な存在であった。作品は東京国立博物館などに所蔵され重要文化財に指定されているものも多い。

◆みずのき絵画教室

障害者支援施設みずのきの創立5年目の1964年に始まった日本画家・西垣籌一さんによる絵画教室

西垣籌一(にしがきちゅういち)
1912-2000

明治45年(1912年)兵庫県生まれ。昭和8年(1933年)に京都市立絵画専門学校本科に入学し日本画を学ぶ。在学中、吉岡堅二、福田豊四郎らによる新日本画研究会の結成に参加。卒業後、文展鑑査展に初入選。第1回新文展に入選するなど認められ、26歳のとき新美術人協会に参加する。その後、京都市立絵画専門学校助教授となったのち、京都市の高等学校の教諭になり退職を迎えるまで美術教育に携わった。また、昭和39年(1964年)からは京都府亀岡市の障害者支援施設「みずのき」で絵画教室を通じた障害者による創作活動の支援に尽力した。

◆ヤノベケンジ

ヤノベケンジ
KENJI YANOBE
1965-

1965年大阪府生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。京都芸術大学美術工芸学科教授。幼少期からアニメや漫画の世界に影響を受け創作活動を始める。90年代から原子力や放射能といった社会的なモチーフを扱い、サヴァイヴァルからリヴァイヴァルへと徐々に主題を変えながら、大型の彫刻作品を中心に多様な媒体を用いた独自の世界観を構築。国内外の美術館での大規模な展覧会の開催や国際的な芸術祭で活躍するなど日本を代表する現代美術作家として現在も精力的に作品を制作している。

主なパブリックコレクション:大阪中之島美術館、国立国際美術館、金沢21世紀美術館、広島市現代美術館など

◆山口牧生

山口牧生
MAKIO YAMAGUCHI
1927-2001

1927年福岡県戸畑市生まれ。13歳の頃に兵庫県西宮市に移りその後終戦をむかえる。京都大学印度哲学科に入学するが2ヶ月で美学科に転科。大学卒業後は大阪市立美術研究所に入所、美術の道に進む。初期は木彫から始まりセメントや廃材を素材としていた。団体展への出品や画廊での個展を経て、野外彫刻(公共彫刻)に可能性を見出し、1968年に小林陸一郎、増田正和らと「環境造形Q」を結成。その時に石という素材に出会い、その後は石彫作品を主に制作。1983年第14回中原悌二郎賞受賞。

主なパブリックコレクション:京都国立近代美術館、兵庫県立近代美術館、神奈川県立近代美術館など
(wikipediaに投稿済み)

*50音順

<リサーチチーム>
リサーチ担当:副産物産店(矢津吉隆+山田毅)
蒐集担当:辰巳雄基
3Dスキャニング&図面担当:川勝真一(RAD)
映像写真担当:やまねかおり

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展覧会の概要
日時 1月15日(土)〜30日(日) 10時〜17時
休館日(月)

こちらの展覧会は、共通券にてご覧いただけます。
大人     500円
小学生以下  無 料

A. 亀岡市文化資料館
住所 亀岡市古世町中内坪1
電話 0771‒22‒0599

霧の芸術館2021の全体概要はこちら

企画:副産物産店(矢津吉隆+山田毅)
展示協力:亀岡市文化資料館
デザイン:井上みなみ